ADLER SOLAR WORKS
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2016.11.17

太陽光発電設備のIVカーブ測定で分かること

今後ますます重要になっていく太陽光発電所の運用保守。しかし、具体的にどのような点に着目して取り組めば良いのだろうか。本連載では日本で太陽光発電所の運用保守事業を手掛けるアドラーソーラーワークスが、実際の事例を交えながらそのポイントを紹介していく。第3回はIVカーブ測定について解説する。

IVカーブ(電圧電流特性曲線)測定は、太陽電池ストリングおよびモジュールの特性変化の把握に有効であり、一般的に太陽光発電システムの点検必須項目として挙げられている検査である。

このIVカーブ測定における主な実施目的は以下の通りである。

  • 出力を計測する
  • 不具合を発見する
  • 測定した結果をもって発電所の出力そのものを推定する
  • 定期的な計測により経年の出力低下を判断する
発電所点検における測定範囲は趣旨や目的によって変化する。発電所に設置されているストリング全体から抽出したサンプルの測定結果から全体を類推する場合や、発電不良を前提としたDC側検査のためにストリング100%を測定する場合、サーモグラフィ検査やその他の検査と組み合わせて特定モジュール単体の出力を判断する場合など多岐にわたる。

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 なお、O&Mにおける定期点検について、発電量の監視に対して現地環境やストリングなどの詳細なデータが収集できる監視装置が導入されている場合、DCの細かな発電状況が把握できるため、特に奇異な数値が計測されない限り100%のIVカーブ測定が不要なケースがある。

 発電事業者は限られた予算の中で発電所を維持しなければならず、効果的な監視システムにより、平時の発電量の適切な監視や分析が実施できているならば、定期点検などにおいては、効果的に測定範囲や周期を設定してO&Mコストを抑制する方法もある。

検査を行う上でのポイント

 検査手順の基本は、遮光物を把握し、測定対象に影がかかっていないことを確認の上、測定を実施することである。

 計測にはストリング配置(配線)図を準備し、実施時にどの位置のストリングを計測しているか把握するようにすることが重要だ。結果が不適合と思われる場合に、対象ストリングの遮光や汚れを確認したり、ストリングを構成するモジュールごとの確認検査を実施したりする場合にも、ストリング配置図を携帯している方が当然作業効率は向上する。

 また、検査趣旨として計測結果のSTC(標準試験条件)換算が重要な意味を持つ場合、IVカーブ測定を実施する機器の他、日射、モジュール温度を計測するセンサーが必須だ。実施にあたっては計測時の環境を十分考慮する必要がある。求められる精度にもよるが、日射強度は700W/m2以上で安定した天候、南中時±1時間の間に測定するのが望ましい(JIS C8953)。

 また、必要に応じて抽出したストリングのモジュール洗浄を実施し、洗浄前と洗浄後の出力差により汚れによる損失係数を求める。

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 測定結果をもってモジュールメーカーと不具合モジュールに関する質問や交渉を行う場合、計測機器自体の正確性を証明するため、校正証明書が要求される場合がある。そのため、計測器はメーカー推奨のサイクルにて校正を実施することが重要である。